考古堂書店
 
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  遺伝カウンセリングワークブック  

定価:\2,420(本体 \2,200)

 

著者 佐藤孝道 著
出版社 中外医学社
判型 A5
頁数 100
出版年月 2000/4
ISBN 4498008367

概要 遺伝カウンセリンガは,「遺伝」といういわば「慢性」の状態と共存するための,生活の再構築に向けた医療上のケアである.
 遺伝カウンセリングの場と流れ,医学的側面,カウンセリングとしての側面,実施上の問題点について,具体例に即しながら著者の考え方を明快に示して従来にない切り口で解説した.この領域に関わる医師,コメディカル必読の書である.

はじめに
 遺伝カウンセリングの重要性が指摘されている.その重要性が大きく叫ばれるようになったのは,トリプル・マーカー検査と呼ばれる出生前診断が検査企業主導で普及しようとしたことが発端であった.そして,2000年を迎えた今日,癌や生活習慣病など多くの疾患で遺伝子診断が可能になり,いっそう遺伝カウンセリングの重要性が増しているように見える.
 遺伝カウンセリングだけではなく,不妊治療においてもカウンセリングの重要性が指摘されている.そればかりではなく,新聞広告をみれば,「カウンセリング」とか「カウンセラー養成」とかといった言葉が躍っているのに気づかれる読者も多いだろう.世はあげてカウンセリングの時代と言ってもよい.
 遺伝カウンセリングは,「遺伝子至上主義社会」を迎えようとする今日,錦の御旗のごとく用いられている.「遺伝カウンセリングが重要です」「遺伝カウンセリングをやっています」とは言われるが,遺伝カウンセリングとはいったい何なのかについての検討はほとんどない.検査の意義や検査結果について十分な説明を行うこと(遺伝検査のインフォームド・コンセント)が,遺伝カウンセリングであるという誤解もある.
 本書では,遺伝カウンセリングを医学的側面とカウンセリングとしての側面に分けて記載した.
 ここで,誤解がないようにあえてお断りしておきたいのは,遺伝カウンセリングというのは「療法(例えば心理療法)」ではないということである.したがって,本書には,心理分析や心理療法についての理論的考察は書かれていない.カウンセリングという側面から記載した部分も,医療における一般的な「面接技術」の域を出るものではない.
 遺伝カウンセリングは,パニックになったり,心理的に病的な状態にあるひとたちのためだけにあるのではない.また,「遺伝」についての偏見を,過去の心理的外傷に帰因させるためにあるのでもない.遺伝カウンセリングは,「遺伝」といういわば「慢性」の状態と共
目次 目 次

はじめに…3
I.実例を考える…9
II.遺伝カウンセリングとは…17
  A.「カウンセリング」とは…17
  B.「インフォームド・コンセント」と「カウンセリング」の違い…21
  C.カウンセリーの自律性の尊重と非指示的カウンセリング…25
III.遺伝カウンセリングの場と流れ…29
  A.カウンセリングの場…29
  B.カウンセリングの時間…31
  C.遺伝カウンセリングの流れ…32
IV.医学的側面からみた遺伝カウンセリング…35
  A.医学的な情報を得る…35
   1.医学的な情報を得る…35
   2.家系を聞く/家系図の作成…36
  B.医学的に診断をする…38
  C.情報の提供…40
   1.情報の内容と正しさ…40
   2.情報の適切な提示とは…46
  D.守秘義務…54
V.カウンセリングとしての側面…57
  A.カウンセリーの持つ問題を理解する…57
   1.カウンセリーに「敬意」を払う…57
   2.「共感」…59
  B.問題を整理する/焦点を決める/シナリオを考える…67
   1.得られた情報や問題点を整理する…67
   2.焦点を決める/シナリオを考える…69
   3.カウンセラーの判断と「見立て」…71
  C.他のカウンセラー,遺伝専門医,当事者団体への紹介…73
VI.カウンセリーの決断と実行/遺伝カウンセリングの終了…75
  A.カウンセリーの決断と実行/遺伝カウンセリングの終了…75
  B.フォロー・アップ…76
  C.遺伝カウンセリングの中断…77
VII.遺伝カウンセリングのいくつかの問題…79
  A.家族と遺伝カウンセリング…79
  B.医療不信,医療訴訟とカウンセリング…81
  C.「期待に反する」結果を伝える…85
  D.遺伝カウンセリングと「不安」/適応障害…87
   1.不安と適応障害/不安障害…87
   2.うつと「認知」の問題…89
参考文献…94
索 引…97
     
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